スナック菓子などは、ふっくらした袋に入っていながら開封までは湿気がきません。これは湿気の原因となる空気を取り出し、不活性ガス(=窒素)で密封しているからです。この原理をさらに発展させたのがきものパックです。
昔は、寒干し(2月中旬)、土用干し(7月の土用)、虫干し(10月下旬)、と年間三回も行っていたきものの手入れ。しかし、今では、きものを干している光景を目にすることも少なくなりました。
きものの大敵は、一に湿気、二に虫。ウールの着物が少なくなり、虫に食われる被害はあまり聞かなくなりました。反面、エアコンの普及から住居の気密性が高まり、湿度によるカビの被害は大きく増えました。冬場によく目にする窓ガラスに付く水滴は、空気中の水分の結晶です。いわゆる結露に近い状態が、タンスの中でも起こっていると考えられるのです。一度も着てない喪服が、カビにやられ、白く変化するのはこのためです。
きものパックは、湿度の原因となる空気を取り出し、窒素ガスを封入することで、カビの被害から守ってくれます。そして、脱酸素剤で、袋の中の酸素をなくし、乾燥剤で湿度を取りながら保存をします。さらに、酸素センサーが効果の失効を教えてくれます。有効期限は2年間とありますが、経験では8年間なにもしなくても、まったく変化がおこりませんでした。
私は仕事がら、年2~3回は黒の紋付羽織と袴を着ますが、着用後は必ずきものパックを利用しています。一度袋を買うと次からは3,150円で詰め替えできます。万一、汗、シミ、汚れが残っていても、無酸素状態では、化学反応が起こりません。つまり黄変などが、まず、しにくい保管方法と言えます。もう20年以上も着る紋付ですが、今だに紋は真っ白で、とても満足しています。でも一番喜んでいるのは、手がかからないので、お母ちゃん(妻)かも知れません。