•  紅花紬(べにばなつむぎ)
    • 紅花紬紅花紬は、山形県米沢市、および、その近郊で()られている紬です。紅花紬には、(くれない)系の色を中心に黄色・オレンジ色などの縞柄(しまがら)格子柄(こうしがら)などがありますが、地味(じみ)(しぶ)い色柄が多い紬の中においては、とりわけ(やさ)しく(はな)やかです。紬の持つ素朴(そぼく)(ひか)えめな味わいに加え、上品(じょうひん)さがありますので印象も良く、格式(かくしき)(とら)われないお洒落着(しゃれぎ)として愛用されています。江戸時代、(べに)は高級な口紅の原料として米沢藩(よねざわはん)の財政を支えるご禁制品(きんせいひん)でした。紅花から取れる染料は99%が黄色、残りのわずか1%が赤ですが、天然から採取(さいしゅ)できる植物では唯一(ゆいいつ)紅花しかありません。一反の赤い着物を染め上げるには90万輪(まんりん)もの花が必要だといわれています。ですから紅花は、金と同等以上の高価なものでした。紅花から染められた糸が太陽光線に触れて、はじめて(あわ)(やわ)らかいピンクに発色します。その発色具合(ぐあい)は温度や湿度(しつど)微妙(びみょう)な変化をし、なかなか思い通りの色合いが出ず、今でも染色家の悩みの種でもあります。それだけに商品として完成したときの喜びもひとしおで、何ものにも変えがたい感慨(かんがい)があるようです。
  •  紅花紬(べにばなつむぎ)の着こなし
    • 紅花紬紅花紬は、その多くは(あわせ)のお洒落着(しゃれぎ)街着(まちぎ)」として着られます。袷は、1月~5月、10月~12月に着られています。しかし、本州と北海道・沖縄では気温が違います。さらに海外では、日本の伝統的な季節による衣更(ころもが)えは通用しません。そこで、袷は日中の最高気温が22度を超えない範囲で着るようにお勧めしています(参照:気温による衣更(ころもが))。
    • 帯は、まずは博多(はかた)八寸名古屋帯(はっすんなごやおび)が良いでしょう。そして、着慣(きな)れてくれば半幅帯(はんはばおび)細帯(ほそおび)なども活動的で軽快です。中級者になれば、お洒落用の袋帯。上級者なら塩瀬(しおぜ)縮緬(ちりめん)の染め帯などに目が向くようになります。もちろん、着こなし方には決まりがあるわけではありませんので、原則は自由に楽しめます。
    • 紬を着た時には、コートでも良いのですが、コートは塵除(ちりよ)け程度の上着(うわぎ)です。従って、室内では着られません。やはり、お洒落用の羽織(はおり)が一枚必要です。現代の羽織は、膝下(ひざした)1寸程度の長羽織(ながばおり)が主流です。羽織があれば初心者のうちは、お太鼓や後ろ姿も着にならず自信を持って着られるでしょう。
  •  (もじ)()りについて
    • 捩り織り()かし()りの紅花紬は、袷にもできますが、単衣(ひとえ)のきもので着るのがお洒落です。着る時期は、5月~6月、9月~10月ころですが、気温なら22度~28度が目安となります。単衣の場合は、春と秋で合せる帯が違います。夏に向かっては「季節の先取り」をしますので、(しゃ)()の夏物の八寸名古屋帯がお洒落です。冬に向かっては単衣の八寸帯。つまり、博多の八寸名古屋帯なら9月~5月を通して締めることができるというわけです。平均気温の上がった現代では、単衣を着る時期がますます長くなりつつあります。きもの評論家:市田ひろみ氏は「帯の基礎知識」の中で、「私は仕事柄、毎日きものだ。それも、7~8月除く10ヶ月間は、盛装以外は単衣を着ている。建物の中は冷暖房があり、講演会場やテレビのスタジオには照明があるので、汗かきの私に袷はつらい。ほとんどが紬の単衣だが、生地のしっかりしたものばかり。」と述べられています。

No.1
紅花紬の拡大画像紅花紬の生地の拡大画像紅花紬の証紙紅花紬に合わせる帯紅花紬に合わせる羽織
品番 : 5335204702
品名 : 紅花紬
技法 : 米沢織「紅花本染め」
色彩 : 橙色、淡朱色、淡黄緑
文様 : グラデーション
生地 : 正絹紬(絹100%、長さ12.4m、幅38cm)
価格 : 135,000円
在庫 : 1
参照 : きものパワー講座:気温による衣更え

橙黄色(とうこうしょく)をベースにした可愛(かわい)らしい紅花紬(べにばなつむぎ)に少々小粋(こいき)で伝統的な博多織(はかたおり)細帯(ほそおび)を合わせ、羽織(はおり)漆黒色(しっこくいろ)北斎(ほくさい)文様(もんよう)を合わせました。草履(ぞうり)は、黒で牛皮のエナメル加工が合うでしょう。お若い方から年配の方まで、お洒落(しゃれ)(よそおい)いが楽しめます。

お仕立方法を選択されますと見積金額が表示されます。
商品 135,000円
仕立
合計 135,000円
 
 



No.2
米沢紬の拡大画像米沢紬の生地の拡大画像米沢紬の証紙米沢紬に合わせる帯米沢紬に合わせる羽織
品番 : 7635206704
品名 : 米沢紬
技法 : もじり織り
色彩 : 淡黄緑鼠
文様 : 両子持ち縞に透かし柄の蜻蛉
生地 : 夏用透かし織り(絹100%、長さ12.4m、幅38cm)
価格 : 149,800円
在庫 : 1
参照 : きものパワー講座:気温による衣更え
織物の中でも、最も難しいとされる「()かし()り」が、この「もじり織り」です。もじり織りは、経糸(たていと)交差(こうさ)させて文様を織り上げますので、生地の強度と安定性を保つのが難しいと言われています。この米沢の「もじり織り」の着物は、弊社の着付講師が30年以上も着用していますが、他の夏物「(しゃ)()」に比べて軽くて丈夫(じょうぶ)好評(こうひょう)です。もともと、合着(あいぎ)単衣(ひとえ)盛夏(せいか)薄物(うすもの)と、その両方に着られるというのがウリ(長所)でした。しかし、昨今の猛暑(35℃以上)では、そうも行かなくなりましたが、それでも()かし()りの着物は4月~6月、9月~11月ころまで単衣(ひとえ)の着物として愛用されています。
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商品 149,800円
仕立
合計 149,800円